(古事記 1)

景行天皇紀や祝詞に記される日高見国の存在は関東・東北 

地方を中心とする縄文時代の記憶を示しています。 

その時代は高皇産霊神が統治しており、農耕が加わると天照大御神 

の統治に代わっていきます。日本の神様は人間の営みをしています。 

それに加えて、太陽・月を中心にして、山や木々、川や湖、雷などの 

日本を取り巻く自然界や稲穂などの農作物に至るまで、崇敬と愛情をもって日本人は神様と捉えて、豊かな自然とともに暮らしてきました。 

八百万の神々は祖先神でもあり、日本人は祈りと祭祀を生活の中に取り入れて暮らしてきました。 

(古事記 2)

本年は令和四年、ちょうど1310年前の和銅五年に太安万侶は古事記を元明天皇に献上した。と古事記の序文に記しています。

元明天皇は天智天皇の皇女、天武天皇の皇子、草壁皇子の

妃。天武天皇の姪御さんに当たります。

王の歴史や系譜を語り継ぐ「語り部」の末裔であり、

天岩戸で踊ったアメノウズメ、猿目君の子孫の稗田阿礼が

天武天皇の命により、30年以上の暗唱を続けて音声による伝承を、そのまま太安万侶が文字に移し替えました。

日本書紀によると620年には最初の歴史書「天皇記」「国記」が聖徳太子によって編纂されたのですが、645年の大化の改新の動乱で「天皇記」は焼失しましたが、「国記」だけは、船史恵尺(ふねのふひとえさか)という人が蘇我氏邸から持ち出し中大兄皇子に届けられた、と日本書紀は伝えています。

従って、天才的記憶力の稗田阿礼は、すでに書かれたものを元にして暗唱を続けたと考えられます。

国の正史である官選漢文表記の日本書紀と漢字を巧みに使って音声仮名表記の古事記とは、文字記載と音声伝承の大きな違いがあります。

しかも、古事記の伝承には、理想の国家とはかけ離れた神さまや人間の行動や骨肉の争いなどが、時間的矛盾とともに述べられています。

だから、古事記の神話の世界も人間臭く面白いのです。

古事記は万葉集巻2に引用されたり、奈良時代以前に存在した母音が上代特殊仮名遣いという表記に見られるので、

やはり8世紀に書かれています。

しかし、現存最古の写本は1371年に書写された真福寺本古事記であり、やっと本居宣長が最高の古典だと賛美して、30年以上の歳月を掛けて1798年に全44巻からなる古事記の注釈書「古事記伝」を完成させました。

本居宣長は「大和心」による古事記の解釈をしました。

近代の古事記研究は本居宣長の古事記伝から始まっています。

2022年 7月 31日

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